丕緒の鳥十二国記 5

丕緒の鳥十二国記 5_表紙 感想・あらすじ・解説
本編は、4つの短編となっており。内容につながりもなく。国も時間軸も違います。しかし、ども物語にそのとき、その国への想い賭ける主人公がいます。また、どの物語も最後までどこの国での話かが分からないまま進行していきます。いったいどこの国での話なのか、どの王が統治している時代なのかを考えながら読むと一層楽しめます。このあとの、あらすじ、感想には国名等ネタバレが含まれておりますので、ご注意ください。

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あらすじ※ネタバレ注意

丕諸の鳥

主人公は、慶国の下級官吏の丕緒。丕緒の仕事は、即位の礼で行われる「大射」と言われる儀式でつかう陶鵲を創ることである。丕緒が陶鵲に込めた想いとは・・・そしてその想いは新王に伝わるのか・・・。

落照の獄

主人公は、柳国の秋官司刑の瑛庚。この国では百年以上にわたって死刑が停止されている。そんな中無差別な殺人を犯した狩獺という男を裁くことになる。国の制度と民衆の想い、そして妻子ある身として瑛庚は、狩獺にどのような裁きを与えるのか・・・

青条の蘭

主人公は、延国の地官迹人の標仲。疫病に冒された山毛橅林を救うため青条という植物を王宮に届けることを試みる。標仲の想い、青条は王宮に届けらるのか・・・

風信

主人公は、慶国で官吏のもとで下働きをする少女・蓮花。民衆は、王によって振り回され、人生を歩んでいくしかないことを突き付けられた物語でした。だからこそ、王は民衆のことを考え、民衆のためにできることをしてもらいたいとつくずく思いました。

感想

丕諸の鳥

丕緒の陶鵲に込める今後の国の想いが伝わってきてとても切なくなりました。今回の王も前回、前々回同様女王。もうこれ以上期待できないと思いつつも作った陶鵲が新王、そう陽子に伝わってとき報われた気がきました。また、今後慶国が良くなっていくことを予感させる一場面でもありました。

落照の獄

とても重いお話でした。瑛庚の苦悩が伝わってきました。柳国の秋官司刑でありながら、妻子を持つ身。民衆の声も被害にあった者の気持ちも分かる、しかし国の未来を考えたとき、果たして死刑が最善の選択なのか・・・。答えはない、だけど一人一人が考えなければならないテーマであると思いました。

青条の蘭

地官迹人の標仲の想いが人を動かす。人は誰も国の安寧を願っている、そして何が出るるのかを考え、できるとこをしようとしていることが伝わってきました。このお話は、最後青条が王に届けられたかどうかは書かれていませんが、届いていて欲しいと思いました。

風信

民衆は、王によって振り回され、人生を歩んでいくしかないことを突き付けられた物語でした。だからこそ、王は民衆のことを考え、民衆のためにできることをしてもらいたいとつくずく思いました。

まとめ

短編4編であり、他の物語の様な派手さはありませんが、じゅわじゅわと心に響いてきます。どれも、読み始めでどこの国の話なのかがわからない状態になっていました。そのことで、登場人物にどんどん感情移入できたように思います。どれも国のために、国の安寧のために一所懸命に生きる人たちの苦悩が描かれていました。そんな人たちためにも王が頑張って欲しいと思いました。

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